健康コラム 食中毒


生活環境が衛生的かつ快適になった昨今、〝食中毒なんて関係ない話〟なんて思っていませんか?でも食中毒は食品メーカーや飲食店等によるものばかりではありません。昔から「暑い夏は食中毒の季節」といわれるように、夏は湿度も高く、気温・室温ともに「細菌」の活動しやすい好条件になるため、食中毒の危険性が高くなります。それに加え、輸入食品の増加、加工食品の大量流通などの影響で、皆さんの家庭でも1年を通して食中毒が発生しやすい状況にあり、より身近な問題となっております。しかし相手は肉眼では見えない「細菌」。私たちが毎日口にする食品に簡単に紛れ込むことができる上、短時間の間に何万倍にも増殖したりします。また中には真空パック商品の中でも繁殖する細菌すらあります。しかし予防法を知っていれば被害を最小限にくい止めることもできます。

▼なぜ食中毒は起きるのか?

食中毒とは、食べて下痢・嘔吐などの症状を起こすものです。原因の9割以上が微生物(細菌19種類・ウイルス4種類)によるものです。この微生物は自然界に広く分布しています。土の中や飲料水中にも存在します。採れた野菜はよく洗って土を落とせ、水は沸騰させろ、というのはそのためです。また家畜の体内(腸管の中)にも多く存在しています。人は食肉を確保するために家畜を飼育します。食肉にする過程で解体する際、どうしても肉に腸内の細菌(食中毒菌)が付着するそうです。生肉を食べると食中毒を起こすのはその為です。
また、通常の菌は1g当り何万個~何十万個とならなければその症状を発症しないのに対し、食中毒菌は十個~百個でも発症するものがあります。感染性の高さもその発症する原因と言えます。以下に代表的な食中毒の原因を挙げてみました。

▼ガンピロバクター

食中毒の発生件数の最も多い原因細菌です。高温多湿の6月~10月に多く発生します。感染力が非常に強く、菌100個でも感染すると言われています。特に、鶏レバーやささみなどの刺身・鶏のたたきなどの半生製品による食中毒が多く報告されています。「鶏肉は生でも大丈夫」という誤った認識がある為だとも言われています。多くの人は一週間以内に回復し、死亡例は稀です。

▼ノロウイルス

食中毒の患者数が最も多い原因ウイルスです。特に冬季の患者数が多く、10月~4月に発生のピークを迎えます。原因として、①二枚貝でノロウイルスを蓄積した牡蠣など②ノロウイルスに感染した人の糞便③感染した食品製造従事者や調理従事者から食品を介して④感染者から直接感染(接触)や咳による飛沫感染があります。感染力が非常に強く、1g当り10個~100個のウイルスでも感染すると言われています。通常は3日以内に回復します。しかし高齢者や子供・免疫力の落ちている方は、かかると重篤で、最悪の場合死を招くことがありますので、十分に気を付けてください。

予防法は?

特に夏に多い細菌による食中毒には、「付けない・増やさない・やっつける」の3つが重要になります。お肉や野菜など生鮮食品と上手に付き合って、暑い夏を元気に乗り切りましょう。

予防法①細菌をつけない

食事前には必ず手を洗いましょう。石鹸を使って十分に行い、細菌やウイルスを洗い流しましょう。手をふくタオルは、食中毒の流行る時期は毎日替え、マメに洗濯しましょう。調理をする人は、生肉や生魚を調理した後、必ず手を洗い、包丁、まな板を洗浄・除菌・乾燥する(細菌は乾燥に弱い)習慣を身に付けましょう。

予防法②細菌を増やさない

細菌の発育の為の適温は、25℃~50℃です。一部の細菌を除き、5℃以下では増殖しない事がわかっています。冷蔵庫は余裕をもって収納し、しっかり冷やして保管できるよう心がけましょ

予防法③細菌をやっつける

食中毒を引き起こす細菌の多くは、十分な加熱で死滅します。加熱調理食品は、中心温度計を用いて、中心部が75℃以上の状態で1分以上加熱しましょう。(ノロウイルス対策には85℃以上で90秒以上加熱)また調理器具は漂白剤につけたり熱湯をかけて殺菌します。


また、同じ食事をしていても食中毒になる人、ならない人、たとえなってとしても軽くてすむ人がいます。その差は、体力、解毒力の差が考えられますが、何といっても大きな違いは、腸の免疫力の強さの差です。つまり、免疫力を強くしておくことが、食中毒予防にも効果的というわけです。 腸の免疫力を鍛えるには、排泄力を整えておくことです。まずは腸の中を善玉菌であるビフィズス菌で満たしておくことが大切です。そのために、生きたビフィズス菌入りのヨーグルトや乳酸飲料を摂取するのが有効です。ですがこの方法では、充分な量のビフィズス菌はなかなか摂れないものです。そこで、腸の環境を整えてくれるビフィズス菌のサプリメントを摂ることをおすすめします。カプセル化したプロポリスも有効です。また、普段から腸の免疫を下げるような冷たいものの飲食を避け、なるべく温かいものをとるように心がけましょう。

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